暗い、怖い、防空壕追体験 大宜味小5・6年生


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宮城長清さんの話を聞く大宜味小学校5・6年生ら=21日、大宜味小学校裏の山中

 【大宜味】大宜味小学校(宮城政信校長)は21日、同村出身で戦争体験者の宮城長清さん(80)らを講師に招いて平和学習を実施した。3年生以上は、同校裏手の山中にある防空壕を訪れ、沖縄戦当時の様子を追体験した。

壕の前で5、6年生に自身の体験を話した宮城さんは「戦争は絶対に起こしてはいけない。戦争反対の担い手になってください」と語り掛けた。
 壕は、出入り口のある壕2カ所と、入り口のみ掘られている壕1カ所の計3カ所。壕の中は1人がやっと入るくらいの狭さで天井が低く、児童らは列になり、しゃがんで前に進んだ。
 出入り口のある壕は、入り口から出口まで約3メートルで、中に入った児童は「怖い」「暗い」とおびえながら声を上げた。
 米軍が山に攻めてくるまでの1週間以上を壕の中で過ごしたという宮城さん。「壕から逃げようとしたおばあさんが米軍の攻撃に遭った。じっとしていた人たちが助かったよ」と当時の様子を振り返った。
 宮城さんは「戦争というのは人が人じゃなくなる。軍は民間を守ってくれない。絶対に戦争は起こしてはいけない」と児童らに強く訴えた。
 小6の松田千尋さん(11)は「壕は怖かった。将来ずっと平和でいてほしいと思った」と感想を述べた。