参院選予定候補 憲法改正で相違 公開討論


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参院選の争点などをめぐって活発な議論を展開する糸数慶子氏(左)と安里政晃氏=27日、那覇市久米の県青年会館

 7月4日公示、21日投開票予定の参院選に向けて、琉球新報社と沖縄テレビ放送、ラジオ沖縄は27日、沖縄選挙区(改選数1)に立候補を予定する現職で社大党委員長の糸数慶子氏(65)=社民、共産、生活推薦=と自民党公認の新人で社会福祉法人理事長の安里政晃氏(45)=公明推薦=を招いた公開討論会を那覇市久米の県青年会館で開いた。

憲法改正問題で糸数氏が「集団的自衛権の行使につながる」と反対姿勢を明確にしたのに対し、安里氏は賛成の立場から「自衛隊を軍隊と認める」と踏み込み、自衛隊の文民統制の強化を訴えた。安倍政権、「アベノミクス」への評価などでも違いが明確になった。
 安倍政権について安里氏は「経済の活性化が見えてきた。その流れは都会から地方に、大企業から中小零細企業に流れる」と経済政策を高く評価。糸数氏は政権の改憲志向を挙げ「危うい政権」と批判。経済政策には「外国人投資家中心のマネーゲーム」と述べ、実態が伴わないと主張した。
 普天間飛行場の返還問題で安里氏は「県内より県外が早く移設できる」と県外移設を強く主張。「即時閉鎖・返還」を求めた糸数氏は海兵隊不要論に触れ「状況が変わっても日本政府は受け入れない」と批判した。
 仲井真県政について糸数氏は「県民と一緒に県外移設を訴えている」と評価。問題もあるとしつつ、普天間問題について今後も県外移設要求を堅持し続ければ「百点満点」と述べた。安里氏は失業率に改善兆候が見られるとして、「大きな成果だ」と評価。アベノミクス効果による県内景気の改善にも期待した。
 消費税増税について糸数氏は法改正も視野に「凍結すべき」と主張。代替財源については防衛費や無駄の削減を訴えた。安里氏も景気停滞を招くとして「現状では反対」と表明。ただ膨大な財政赤字を理由に消費増税は「避けて通れない」との認識を示した。