「柳」と創作で魅了 柳清本流保存会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
「柳」を舞う比嘉倫子(右)と前川ケイ子=6月22日、浦添市の国立劇場おきなわ

 琉球舞踊の柳清本流保存会(仲宗根文子会長)は6月22日、浦添市の国立劇場おきなわで、結成15年を記念した公演「舞い清ら 柳 萌ゆ」を催した。ことしは、同流創設者の比嘉清子師が亡くなって20年の節目でもある。

門下生80人余が出演し、古典女踊の名手だった清子が戦後復活させた「柳(やなじ)」や「苧引(うーびち)」、同流保存会各家元の創作などを舞った。
 比嘉倫子と前川ケイ子が「柳」を披露。糸村昌子、新城恵子、名嘉京子、神田采愛子が「苧引」を舞った。多彩な小道具を使う「柳」と手踊りの「苧引」は対照的だが、どちらも女性的なたおやかさで魅せた。「苧引」は糸を紡ぐような所作や、いとしい人を抱くような所作などが印象に残った。
 創作は、清子が振り付けた「漁り火」(与座朝惟選曲)など8演目を踊った。親子の獅子が戯れる「華獅子」(高良和子振付、松田健八選曲)は、2枚重ねたクバ扇に、鈴と小さな花笠を付けた独自の小道具が目を引いた。手に持つだけでなく頭にかぶることもできる。斬新な発想だが、沖縄らしさもある。
 清子は生前、「島かじゃー(島の薫り)のする」創作を心掛けていたという。「華獅子」などを振り付けた高良も「ウチナーの土の匂いを大切にしたい」と話す。
 記念公演に出演した若い弟子たちも、清子の高弟たちが継承・発展させてきた同流の芸風を受け継いでほしいと感じた。

※注:高良和子の「高」は旧漢字