感謝込め「道芝」披露 国分多喜子研究所、節目祝う


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「仲里節」を踊る国分多喜子(左)と祖堅初子=6月30日、沖縄市民小劇場あしびなー

 玉城流敏風栄乃会の国分多喜子琉舞研究所は6月30日、沖縄市民小劇場あしびなーで、開設15周年を記念した初の発表会「華風(かふう)に舞う 多き喜び」を開いた。1歳から80歳まで門下生ら40人余が出演した。国分は師匠のおはこである「仲里節」と「花風」を踊ったほか、母の詩を基にした民謡「道芝」を披露。周囲への感謝の心がにじむ舞台となった。

 「仲里節」は、敏風会の宮里敏子家元と、玉城流喜納乃会の故喜納初子初代家元のおはこだった。相思相愛の男女を品良く演じる。国分は、同門の祖堅初子と息の合った踊りで舞台を引き締めた。
 「花風」は、敏風栄乃会の渡嘉敷栄子会主が得意とする。「少しでも師に近づけるように」との思いを込めて舞った。
 「道芝」は40年前、国分の母が新聞に投稿した詩が唄者の故喜屋武繁雄の目に留まり、民謡になった。若くして先立った夫への思いや、道芝のように強く生きる決意が描かれている。国分は母への感謝を込め、今回初めて歌った。
 公演は、昨年教師になった岸本潤子のお披露目も兼ねた。岸本は「柳」をたおやかに舞ったが、手に持った小道具が少し揺れていたのは気になった。国分の叔母であり一番弟子である天久千恵子、島袋吉江、久高郁子も「かぎやで風」などで節目を祝った。
(伊佐尚記)