地場産業を観光化 スカイ観光と読谷村商工会


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村内の6次産業化などの事例を視察ツアーとして売り込む沖縄スカイ観光サービスの大城光社長(右)=16日、読谷村楚辺の同村商工会

 読谷村で地域資源を活用した「着地型旅行商品」の開発を進める沖縄スカイ観光サービス(大城光社長)は、村内の6次産業化や地域づくりの取り組みを視察ツアーとして商品化し、全国各地の商工会向けに売り込んでいる。

商品は村商工会と連携して販売。これまで視察のみだった他県の商工会による研修をツアーにすることで、村への経済効果を生み出す狙いがある。
 同村には全国的に知名度の高いお菓子のポルシェの「紅いもタルト」や、08年の販売から今年4月までに県外を中心に50万パックを売り上げた読谷村漁業協同組合の「海人(うみんちゅ)自慢のもずく丼」など6次産業化事例が豊富にある。
 大城社長は「これまでも村への視察は多かったが、資料を持って帰るだけだった。それでは村への経済効果はない。村内には地域振興の成功事例が多いので、最低でも1泊してもらいたい」と強調する。
 今年1月に来県した茨城県西地区の青年部24人は、1人約5万円のツアーを組んだ。ポルシェの御菓子御殿や読谷村漁協などで施設見学を実施。「体験王国むら咲むら」の視察や、コミュニティー放送局であるFMよみたんにもゲスト出演し、村内の観光資源や地域づくりの在り方も学んだ。
 例年、商工会の研修は年度の後半に集中するため、現在、全国商工会連合会を通してPRを図っている。まだツアーを活用した商工会は2件にとどまるが、大城社長は「読谷村は来年1月に日本で最も人口が多い村になる。今後、日本一を使った事業なども増える。申し込みを期待している」と話した。(長嶺真輝)