沖電、悲願1勝逃す 都市対抗野球第5日


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沖縄電力―JR北海道 先発のマウンドに立ち、力投する沖縄電力のエース・狩俣穏=16日、東京ドーム(平安太一撮影)

 第84回都市対抗野球大会第5日は16日、東京ドームで1回戦が行われ、4年ぶり3度目の本戦出場となった沖縄電力(浦添市)はJR北海道(札幌市)に0―3で敗れ、県勢初の初戦突破は果たせなかった。

沖電は先発の狩俣穏が立ち上がりを攻められ、初回1死から2連打と死球で満塁とされた。犠飛で1点を奪われたが、二回以降は狩俣が好投。追加点を与えなかった。しかし七回に本塁打を浴びて1点を失い、この回を終えマウンドを降りた。九回には四死球で1死一、二塁から適時打で3点目を奪われた。打撃は相手投手を最後まで攻略できず、3安打に抑えられた。

◆狩俣粘投も打線沈黙
 沖縄電力は何度も流れをつかみかけた。小技を生かし、安打や四球で出た走者を得点圏に進めた。しかし、あと一本が出なかった。エース・狩俣穏は力投し、野手の好守備も随所で光ったが、打線は最後まで沈黙。県勢の都市対抗野球大会の初勝利に手が届かなかった。
 「立ち上がりが課題」と語る狩俣は初回に連打と死球、犠飛で1点を失ったが、最少失点で切り抜けた。二回以降は変化球を低めに集めて相手打線に凡打の山を築かせた。六回には一死から二塁打を浴びたが、冷静な投球で後続を断った。しかし七回表に「抜けてしまった」というスライダーを右翼席に運ばれた。
 直後の七回裏。流れは沖電に傾きかけた。照屋吐夢と金城長靖が安打で出塁して二死一、二塁に。大城亮は右方向に鋭い当たりを飛ばしたが、一塁手の好捕に阻まれた。終わってみると安打はわずか3本。相手投手の変化球を引っかける場面が目立ち、三塁を踏むこともできなかった。主砲の狩俣達也は「うまく低めを見極められなかった」と反省する。
 八回からは仲宗根進二、小山元希と継投したが、四死球と安打で1点を失い、勝利が遠のいた。「自分がしっかり抑えていれば負けなかった」。狩俣穏はエースとしての責任を感じている。それでも「チームとして差はない」と手応えも感じている。「次は必ず勝つ」。雪辱を誓うエースが見詰めるのは、大舞台での勝利だ。(平安太一)