石綿暴露 125人超 コートニー内住宅改修工事


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 【中部】うるま市の米軍キャンプ・コートニーの高層住宅内で、配管部分のアスベスト(石綿)使用を把握しないまま改修工事が行われた問題で、2010年6月の工事開始から約3年間で、少なくとも16業者125人が作業に従事して石綿にさらされた可能性があることが、下請け業者の調べで分かった。

また、除去された石綿が一般廃棄物として基地外に搬出され、県内で処分された可能性があることも分かった。工事関係者は「数百キロから数トンになるのではないか」としている。
 元請け業者は今月上旬、下請け業者に対し作業に当たった人数を報告するよう求めていた。下請け業者の調査で現在判明しているのは125人。下請け業者は「現場には300人以上は出入りしていた」と指摘した。別の下請け業者は「現場で作業した服のまま帰宅した。洗濯した妻や家族にも影響があるかもしれない」と不安を漏らした。
 工事関係者によると、工事終了後の調査で、配管部分の保温材などから石綿の一種のクリソタイル(白石綿)が検出された。高層住宅6棟のうち、工事後に3棟で石綿の存在が発覚した。
 県によると、廃棄物処理法では、石綿保温材や吹き付け石綿は、飛散性の恐れがある「廃石綿等」に分類される。飛散性の場合、県内に処分できる業者がいないため、県外に搬出後、処理される。