石綿、読谷で処分 業者、数百キロ埋め立て


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 【中部】うるま市の米軍キャンプ・コートニーの高層住宅内で、アスベスト(石綿)の使用を把握しないまま改修工事が行われた問題で、保温剤として使われていた配管部分の石綿を、県内下請け処理業者が一般産業廃棄物として基地外に搬出し、読谷村内の処分場で埋め立て処分していたことが18日、分かった。

工事関係者によると、石綿が混入した廃棄物は数百キロから数トンに上るという。
 石綿は2010年6月の工事開始後、約3年にわたり搬出され、埋め立て処分された。処理業者は「報道で石綿の件を知った。本当に石綿が含まれていたなら、健康診断など対応を求めたい」と話している。
 工事関係者によると、石綿の一種クリソタイル(白石綿)が配管部分の保温剤に使用されていた。
 解体を行った作業員は、配管から白石綿を剥がして土のう袋に入れ、処理業者に渡していた。石綿を剥がした鉄部分はスクラップ状にし、別の処理業者に引き渡したという。白石綿は工事終了後の調査で検出された。
 石綿保温材は、廃棄物処理法で飛散の恐れがある「廃石綿等」に分類され、県内に処分できる業者はない。埋め立て処分を行った処理業者も「飛散性の石綿であれば、厚さ0・1~0・2ミリの専用袋に入れ、2重に梱包(こんぽう)しなければならない。処理できる業者は県内にはない」と説明した。
 本紙の取材に対し、米軍嘉手納基地の担当者は18日、「『撤去された配管に微量のアスベストが含まれていた』との訴えを受け、物質を調査している」と回答した。(東江亜季子、当山幸都)