役者の熱演に感動 白川小で「銘苅子」


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 【八重瀬】八重瀬町文化協会組踊部会(海勢頭あける部会長)は11日、八重瀬町立白川小学校で組踊や琉球舞踊を披露した。全校児童に向けて町内の実演家たちが組踊「銘苅子(みかるしー)」を熱演。初めて組踊を鑑賞する児童のために字幕が映るスクリーンが舞台に設置された。

児童らは字幕を参照しながら役者たちの熱い演技に見入っていた。
 子どものうちから、沖縄の伝統芸能を体感してもらおうとの試みで、同校では初の開催。
 組踊「銘苅子」は羽衣伝説が題材。天女が羽衣を松の枝に掛けて髪を洗う間に農民の銘苅子が羽衣を盗む。昇天できない天女は銘苅子と夫婦となり2人の子どもを産むが、やがて羽衣を見つけ昇天する。
 2人の子どものうち、弟・亀千代役を演じた同小4年の神谷武之心君はこの日が初舞台。父の武史さん(37)=銘苅子役=と初共演を果たした。豊見城中学校1年の長嶺龍君も姉・思鶴役で出演。県内でほとんどいないとされる男子の子役2人が好演した。
 海勢頭部会長は「児童らに沖縄の伝統芸能の良さを肌で感じ取ってほしい。伝統芸能の普及につなげたい」と話した。
 初めて組踊を鑑賞したという6年の國吉有希さんは「とても感動した。天女が天に帰るシーンでは、とても悲しい様子が伝わった。私たちも地域の文化を大切にしていきたい」と感想を述べた。

天女が子どもたちを残して天に帰る場面=11日、八重瀬町立白川小学校
組踊「銘苅子」を鑑賞する児童ら