大宜味に豆苗工場開設 沖縄村上農園


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 【大宜味】豆苗(とうみょう)を生産・販売する沖縄村上農園(山城加寿社長)は、大宜味村結の浜に植物工場を開設した。1日最大1万2千パックを生産できる約2640平方メートルの施設は、植物工場として県内最大規模。温度や湿度を一定に保った室内生産で、栄養価の高い豆苗を安定供給できる。3年後の年商1億円を目指す。

豆苗は1パック100~130円。工場開所に伴い、県内の量販店で19日から本格的に販売している。
 同社は、国内豆苗生産最大手の村上農園(広島市、村上清貴社長)と、沖縄物産企業連合(山城加寿社長)の共同出資による合弁企業。生産技術を村上農園、流通販売を沖縄物産とそれぞれのノウハウを生かして運営する。
 工場は、常時水を流し湿らせた状態のダンボールと、換気扇を向かい合わせて設置した「パッドアンドファン」と呼ばれる最新式の簡易冷房を採用。外気がぬれた段ボールを通って工場内に入ることで、室内気温を外気よりも5度低く保つことができる。冷房を使わないことから、電気代などのコストが5分の1削減されるという。
 開所に伴い、大宜味村を中心に従業員6人を新規採用。将来的には30人体制を目指すとして、地元の雇用効果も期待される。
 山城社長は「水の里大宜味の水で作った豆苗は評価が高い。年間を通して栽培できることが魅力だ。地域活性化に貢献したい」と意気込みを語った。
 村上農園の村上社長は「暑い沖縄で安定供給できる初めての施設。県内の野菜生産が盛り上がれば」と話した。島袋義久大宜味村長は「長寿村大宜味発信の村上農園の豆苗が、葉野菜の産地化につながる」と期待を込めた。
 今後、製造プラントのアジア輸出や、県内野菜の栽培なども検討されている。

沖縄村上農園大宜味生産センターの工場内を視察する関係者ら=19日、大宜味村結の浜
生産・販売される豆苗