糸数氏3選果たす 辺野古、改憲にノー 参院選沖縄選挙区


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 第23回参院選は21日、投開票が行われ、沖縄選挙区(改選数1)は社大党委員長で現職の糸数慶子氏(65)=生活、共産、社民、みどり推薦=が29万4420票を獲得し、3選を果たした。

26万1392票を獲得した自民党新人で社会福祉法人理事長の安里政晃氏(45)に3万3028票差をつけた。無所属新人の新島メリー氏(67)は1万505票、幸福実現党新人で団体職員の金城竜郎氏(49)は9462票だった。全国的に自民党が圧勝する中で、世論の大多数が反対する米軍普天間飛行場の県内移設を推進する安倍政権に対し、県内有権者は厳しい審判を下した。
 糸数氏は選挙戦で、キャッチフレーズである「平和の一議席」の継続を強く訴えた。安倍晋三首相が憲法改正の発議要件を定めた96条を改正する考えを表明していることに対しては、護憲の立場を強調し、支持を広げた。
 普天間の移設問題では、自民党県連や安里氏も県外移設を主張していたが、糸数氏は自民党本部が「辺野古移設推進」を公約に明記していることとの「ねじれ」を追及。比例代表候補を抱える社民党県連、共産党県委との共闘も奏功し、両党や民主、生活など野党支持層のほか、無党派層からも安里氏を大きく上回る支持を集めた。
 安里氏は与党候補として政策実行能力を訴えたが、普天間移設問題に関する党本部との政策のねじれ問題が尾を引き、選挙態勢の構築が遅れた。選挙最終盤には首相や閣僚、党幹部が次々来県し、精力的に支援したが、無党派層や浮動票の支持を呼び込めなかった。
 新島、金城の両氏は支持を広げられなかった。
 投票率は53・43%で、前回2010年参院選の52・44%から0・99ポイント上昇した。
 当日有権者数(在外含む)は110万2534人(男性53万5768人、女性56万6766人)だった。

民意が勝利した
 糸数慶子氏の話 県民の民意が勝利した。誇りを持ち堂々と県選出議員として闘う。憲法、TPP、消費税増税の問題もある。自民党は一人勝ちしているが、いずれアベノミクスの正体、実態も分かってくる。国民や県民を信じて頑張っていきたい。
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 糸数 慶子氏(いとかず・けいこ)1947年10月11日生まれ、65歳。読谷村出身。読谷高卒。バスガイドを経て92年の県議選で初当選、3期務めた。2004年参院選に初当選。06年に県知事選へ出馬し、落選。07年参院選で返り咲いた。現在社大党委員長。
英文へ→Leader opposing move to Henoko wins 3rd term in House of Councillors election

当選が確実となり、支持者と一緒に万歳をする糸数慶子氏(中央)=21日午後9時48分、那覇市古島の教育福祉会館