県都に新戦力 那覇市議選


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支持者と抱き合って当確を喜ぶ上原快佐さん=22日午前1時2分ごろ、那覇市高良の選挙事務所

 57人が40の議席を争った21日投開票の那覇市議選は22日午前2時50分現在、36人が当選を確実にした。見守った支持者と共に未明の知らせに喜びを分かち合う半面、当選を確実にした人たちは「きょうがスタート。那覇市のためにできることをしていく」と決意を新たにした。

「全ての子が幸せになる社会をつくる」。県都那覇の市議会の新たな夜明けを迎え、市議として活躍することをあらためて誓った。

◆「きょうがスタート」/上原さん、政治家の夢実現
 20代で政治家を志し、初出馬で夢を勝ち取った上原快佐(かいざ)さん(33)=社大・新人=は、真っ黒に日焼けした表情をほころばせ、ガッツポーズで喜びを爆発させた。「きょうがスタート。那覇市のため沖縄のためにできることをしていく」と決意した。那覇市高良にある後援会事務所に支持者の拍手が響き渡る中、涙を拭い、妻の明貴さん(37)とともに深々と頭を下げた。
 3月に明治大学商学部を卒業したばかり。簿記の専門学校、食品商社勤務を経て、29歳で大学に進学した異色の経歴を持つ。学生時代は、新聞配達をしながら学費と生活費を捻出した。
 十数年前、兄の麗緒奈さん(37)が、バイクを運転中に米軍車両に追突されたが、補償が全く出なかった。その経験が政治家を志したきっかけとなった。
 「沖縄は米軍にほんろうされている。悔しい」。沖縄の政治、経済に関する著書を読みあさった。歴史を学べば学ぶほど沖縄が置かれている差別的で不合理な現状を痛感した。「中央政党の系列ではなく、県民政党ではないと沖縄は変わらない」との思いで社大党に入党した。
 深夜まで開票作業を見守った祖母の清得さん(92)は「頑張り屋で親孝行の孫。長生きして良かった。幸せです」と涙をうるませた。伝統的な町並みを保存する街づくり、伝統工芸や伝統芸能への支援、那覇軍港跡地の有効活用を公約に掲げる。