基地問題を議論 「米国ではこんな環境あり得ない」


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基地問題について真剣に意見を交わす分科会の参加者たち=現地時間20日(日本時間21日)、米国ロサンゼルス市内

 【米ロサンゼルス=島袋良太】第2回世界若者ウチナーンチュ大会は現地時間の20日(日本時間21日)、3日目を迎え、参加者はエイサー、三線、琉舞などの伝統芸能や染め物、沖縄料理、ウチナーグチ、リーダーシップなど各分野の専門家を講師に招いたワークショップを楽しんだ。

基地問題に関する分科会も開き、若者たちは真剣な表情で意見交換した。
 基地問題の分科会では「沖縄は戦争で多くの人が亡くなり、平和を発信しているが、ベトナム戦争などでは(沖縄の基地が出撃基地として使われ)『加害者』にもなった。基地がなくなるまで本当の平和は実現しない」との意見があった。一方で「基地はない方がいいが、安全保障問題が落ち着くまではなくすのは難しく、今は基地との共存を考えた方がいい」などの主張も出た。
 発言者の中には「父は米軍関係者で、以前は問題だとは思っていなかったが、沖縄を訪れた時に市街地の上を米軍ヘリコプターが飛んでいてびっくりした。米国ではこんな環境はあり得ないと感じた」と話し、考えが変わった体験を表明する人もいた。
 県系4世のキム・ジョナサンさん(20)=米ミネソタ州=は「沖縄にいる同世代の若者から基地問題について聞けて良かった。もっと知ることが大事だと思った。料理講習で食べたポーポーもおいしかった。沖縄や日本の言葉は分からないが、アイデンティティーを感じた」と語り、充実した一日を送った様子だった。