しまくとぅば継承 「県文化振興条例案」公開


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 県は22日までに、伝統芸能や伝統工芸などの振興を図る「県文化芸術振興条例」案をまとめ、ホームページ上で公開し、意見の募集を始めた。

 しまくとぅばなどの伝統文化の継承・発展や、マネジメント人材の育成、観光など産業との連携を盛り込んでいる。8月21日まで意見を募り、県議会9月定例会への提案を目指す。
 この条例案には、各施策を決定する際に情報を公開し、意見を公募することも盛り込んだ。県民の意見を施策に反映させる具体的な手続きを規定したのは、他県の文化芸術振興条例には例がないという。
 条例に実効性を持たせるため「施策を実施するため必要な財政上の措置を講ずるよう努める」との文言も明記した。
 この条例をめぐっては、芸能団体でつくる「県芸能関連協議会」(沖芸連)と県議会文化議員連盟が2011年5月に制定を要望。県は12年10月から県文化振興懇話会を開き、制定に向け準備してきた。
 沖芸連の下山久事務局長は「文化が立ち上がっていく基盤ができた」と評価。県文化振興会総務企画課プログラムディレクターの杉浦幹男さんは「文化を産業として捉えた芸術文化振興条例は他県に例がない。観光立県の沖縄ならではだ」と話した。
 北村義典県立芸大教授は「文化は一朝一夕で成果が出るものではない。一つ一つの施策を細やかに浸透させ、沖縄のレベルを上げられるかが課題だ」と指摘した。