共同売店「復活」 住民要望で十数年ぶり


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共同売店「デリデリ」のオープンを祝う漢那区民ら=21日、宜野座村漢那区

 【宜野座】宜野座村漢那区の共同売店「デリデリ」が21日、開店した。同区で共同売店が営業するのは十数年ぶり。開店時には多くの区民が訪れ、地域の利便性の向上や交流拠点となる共同売店の開店を喜んだ。

 店舗を運営する仲地要さん(39)は「皆さんの力を借りて、今後何十年、漢那区にこの売店があり続けるよう頑張っていきたい」と意気込みを語った。区民らも「かぎやで風」を踊り、漢那区の新しい顔となる売店のオープンを祝った。開店直後には多くの区民が列をつくり、食材や生活雑貨を買い求めた。
 共同売店は敷地面積181平方メートル。鉄骨造りの平屋建て。駐車場は7台が収容可能。総事業費は約4300万円。商品の品数を増やし、総菜などにも力を入れている。店名のデリデリは、「デーリー」と「デリシャス」を組み合わせた名前で「いつも、おいしく、良い物を提供する」(仲地さん)という意味が込められている。
 同区では以前から、共同売店の復活を求める声が多く、区が実施したアンケートでも約8割が再開を要望していた。区内の商店も経営者の高齢化などで減少したため、区は2009年に策定した基本構想の中で共同売店復活を計画。検討委員会を設置し、他地域の売店を視察しながら開店の準備を進めてきた。
 仲本仁区長は「大手コンビニエンスストアから何度も出店依頼があったが、漢那の地域性を守るため共同売店にこだわった。区民で大切にしていきたい」と語った。