沖縄の風土、巧みに 高良仁美


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
瑞慶覧尚子(左)との連弾で喝采を浴びる高良仁美=13日、那覇市のパレット市民劇場

 ピアニスト高良仁美のリサイタル「美ら島の音たち…」が13日、那覇市のパレット市民劇場で開かれた。「沖縄・夏の風景」など作曲家・瑞慶覧尚子による沖縄の風土を色彩鮮やかに描く作品群を、高良の硬軟織り交ぜた巧みな表現で聴衆に届けた。

 ピアノ組曲「サン・サーラ」は瑞慶覧が旅したインドやインドネシアの情景をエキゾチックな音色でたどり、「旅栄えのあやぐ」で宮古の風土を描く。「沖縄の歌による“即興曲”」は「耳切り坊主」「張水ぬクイチャー」などを織り交ぜて描いた。
 「沖縄・夏の風景」は後半、緊張感みなぎるタッチで厳かな空気を醸す「拝んガジュマル」、なじみの旋律をきらびやかに彩る「てぃんさぐぬ花」、地を打つ雨粒の重さと激しさを感じさせる「スコール」と続ける。「アコークロー」は昼と夜のあわいにたそがれる思いを、みずみずしい筆致で描く。圧倒的な力強さで勇壮に奏でる「エイサー」になだれ込み、エピローグで締めくくる。
 最後に瑞慶覧との連弾も披露し、来場者の喝采を浴びた。