鉄柵設置が完了 普天間基地野嵩ゲート


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設置されたフェンスに、抗議の意思を表す赤いテープを貼り付ける女性たち=23日午前3時半ごろ、宜野湾市の米軍普天間飛行場野嵩ゲート前

 宜野湾市の米軍普天間飛行場野嵩ゲートで22日午後8時ごろから始まった新たなフェンス(境界柵)の設置工事は、23日午前3時40分までに完了した。沖縄防衛局の今岡利通土木課長は工事現場を訪れた糸数慶子参院議員らに対し、設置の目的について「(市民らが)中に侵入する」などと説明し、抗議行動の阻止であることを示唆した。

 米海兵隊の垂直離陸輸送機MV22オスプレイの配備に反対している市民らは23日未明から午後にかけて抗議行動を断続的に展開、反発を強めている。
 工事現場で糸数参院議員と金高望弁護士がフェンスを設置する目的を聞いたのに対し、今岡課長は「境界ラインを明確化するため」と説明。これに金高弁護士が「本当にそれだけか。境界を明確にするためだったら線を引けばいい」と追及すると、「そうすると中に侵入する。安全を確保するためにも必要」と答えた。
 このほか、8月のオスプレイ追加配備を前に「住民の抗議行動を妨害するためではないか」との質問や参院選投開票日の翌日に工事を実施した理由について、今岡課長は「日米合同委員会の合意があったので実施している」と繰り返した。
 小野寺五典防衛相は23日の会見で、参院選投開票の翌日に工事を実施し、住民らの反発が起きていることについて、参院選との関係は「意識しているわけではない」と述べるにとどめた。また、工事の随意契約を結んだのは8日だったことを明らかにした。