県内漁業者が新組織 日台協定契機に団結


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県内全域から86人が参加した県漁業者連合美ら海会の設立総会=23日、那覇市の沖縄ポートホテル

 日台漁業協定など県内水産業がかつてない難局に直面しているとし、漁業者の経済的、社会的地位の向上を図ることを目的とした「県漁業者連合美ら海会」(新垣哲二会長)が23日、発足した。

県内の漁業従事者のみで構成する。那覇市の沖縄ポートホテルで開かれた設立総会には、離島を含め県内全域から86人(委任状含む)が参加した。
 総会では、石垣市の漁民らで構成する「尖閣で漁をする海人(うみんちゅ)の会」(名嘉全正会長)が、国などに要請を予定している「日台漁業取り決めの白紙撤回を求める意見書」への賛同を示した。
 美ら海会は4月の日台漁業協定締結を発端とし、新垣会長を含めた4人の県内漁業者らが設立の準備を進めてきた。発起人の一人で副会長を務める山内得仁氏は「一人一人が異議を唱えても、国の上層部には声が届かない。現場の漁業者が団結して声を上げる場にしたい」と話した。
 今後、3カ月に1回のペースで懇親会を開く。水産資源や漁獲量の低下、円安による燃料高騰、輸入品との競合による魚価の低迷など、さまざまな課題について議論し、要請などを含め今後の活動方針を固めていく。
 新垣会長は「国家間の漁業問題など、本県の水産業を取り巻く情勢は厳しい状況が続く。しかし会員相互間の結束と信頼関係があれば、必ずこの状況を打開できる」とあいさつした。