働く意義 考えて 大崎吉本興業社長、琉大で講義


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 沖縄国際映画祭実行委員長で吉本興業社長の大崎洋氏が17日、西原町の琉球大学で、観光産業科学部観光科学科の学生ら約80人に、映画祭を通した地域活性化の可能性や働く意義について語った。

大崎氏は大学4年間について「働くことや、誰のために何をするのかを考える時だ」と述べ、学生たちが同映画祭の舞台裏の仕事に参加にすることで、それらについて考えるきっかけにしてほしいと呼び掛けた。
 沖縄国際映画祭は、実行委員会が県内各自治体などと連携し、県民と県外・国外の人が交流できるエンターテインメントの祭典だ。ことし3月で5回目を迎えた。今回の大崎氏の講義は、映画祭と琉球大の連携を目指して実施した初めての取り組みとなった。
 講義の中で、大崎氏は映画祭の舞台裏や自身の大学時代などに触れ、大学の4年間は「どうして働くのか」を考える大切な期間だと強調。映画祭を通し、学生に将来について考える場を提供したいとの考えを示した。
 また、沖縄の基地問題にも言及した。「基地があることで国の交付金がつく。それは間違っていない」と強調。さらに「交付金がなくなった時、次の世代が何で暮らすのかが大切なテーマになる」と述べ、沖縄の若者が自立して仕事をつくり出す必要性を語った。
 大崎氏は、過去5回開催した映画祭を通し、沖縄にエンターテインメントを中心にした産業を発展させ、アジアに発信したいとの夢も紹介。その上で「世の中のどこにもないものを、ここ(沖縄)にしかないものを、つくらないといけない」と力を込めた。
 砂川美貴子さん(19)=同大1年=は「エンターテインメント界の人たちの話はあまり聞けないので、ためになった。若い人が映画祭に参加することで、いろいろなことを学べると思う。夢が広がる」と語った。

※注:大崎氏の「崎」は、「大」が「立」の下の横棒なし

琉球大で講義する大崎洋氏=17日、西原町の同大
沖縄国際映画祭の舞台裏などの話を聞く学生ら=17日、西原町の琉球大学