南西石油爆発 人的ミス認める


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 西原町小那覇の南西石油・西原製油所で発生したガス爆発事故を受け、同社のリンコン・シオジロ・イシカワ社長らは25日、県庁に高良倉吉副知事を訪ね、事故原因を報告した。同社長らは「加熱炉内に注入するガス量を操作する弁の不具合があったことに加え、点火前に実施するべきガス濃度測定を怠ったため、爆発が起きた」と説明し、事実上、人的ミスを認めた。

 イシカワ社長は「社内で調査チームを立ち上げ、再発防止に取り組む」と謝罪。具体策として、大規模定期整備の実施などを挙げた。現在、製油所の装置は東部消防本部の命令で全て停止している。同本部は、今回の事故を「防げた事故」だったとの見解を示している。
 事故原因について、南西石油の内間郁伸最高操業責任者は「加熱炉内に注入するガス量を操作する弁の不具合と、本来なら点火前に実施するべきガス濃度測定を怠ったことにある。点火前に1時間ほど炉内の換気を行っていたため、炉内に残留するガスはないと判断した」と説明した。
 同社は、定期整備のため今月2日から施設の装置を停止し、操作弁を閉じていた。だが、操作弁にごみが蓄積していたことで弁が完全に閉まらず、炉内にガスが漏れ出していた。事故が発生した19日は、翌日の運転再開に向けて準備作業を行っていた。作業員が加熱炉内を乾燥させるため、炉内に種火を入れたところ、漏れ出したガスに引火し爆発した。爆発で炉壁の一部がはがれ、耐火材が飛び散るなどの被害が出た。
 報告を受けた高良副知事は「ことしに入って3度目の事故発生だ。南西石油は県内の経済・産業に与える影響が大きい。県民に信頼されるようお願いしたい」と要請した。