県産コスメ 香港で展開 ポイントピュール(久米島)


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 化粧品や洗顔料などを企画、開発、販売するポイントピュール(久米島町、大道敦社長)は、独自ブランドのコスメ商品「RYUSPA(リュウスパ)」シリーズを、香港の大手総合スーパー「シティースーパー」で展開している。県産化粧品としては海外市場で初の定番商品となる。

 香港で現地法人を構え流通ルートを持つ新垣通商(那覇市)と連携した取り組みで、2013年度県産工業製品海外販路開拓事業を活用。7月上旬からシティースーパー全11店舗で販売を開始し、秋までには取り扱いを約150店舗に拡大していく構想だ。初年度の売り上げ目標は5千万円、3年後をめどに3~5億円を目指す。
 リュウスパシリーズは久米島の海洋深層水をベースに、月桃、ゴーヤー、アセロラ、ウコンなど県産の植物や海藻などから得られる天然エキスを配合。香りや肌触りが特徴だという。2006年に商品化し、現在はシャンプーやボディーケアオイルなどを含め二十数種類を販売。県内外のエステ・スパ施設などを中心に幅広く活用されている。
 香港では月桃の保湿化粧水やクチャ海藻パック、ゴーヤーエキス配合の保湿ジェル、洗顔クレンザーなど6種類の販売からスタートし、パッケージなどを改良しながら順次種類を増やす。価格帯は1500円~2千円。これまで見本市やフェアなどで香港の市場ニーズに合わせ、商品改良を図ってきた。天然素材の美肌エキス配合が好評で自宅でスパを楽しめるとして愛用者が増えているという。
 26日、県庁で会見した大道社長や大道りつ子専務は「食べられる安心素材を活用し開発した。県内の1次産業をもり立てる意味でも健康志向が根付く香港市場で沖縄ブランドを確立させたい」と抱負を述べた。
 商品を取り扱う新垣通商香港現地法人の新垣美佳代表は「香港市場で化粧品は韓国や台湾、フランスなど世界のブランドがひしめき合い、消費者の目は厳しい」とした上で「バイヤーたちがポイントピュールの商品を評価し、フロアの中で最も売れるとされる棚に商品を置いてもらった。香港での成功は世界に流通するチャンス」と期待した。

香港で販売されるポイントピュールのコスメ商品「リュウスパ」シリーズ
香港での初展開を発表するポイントピュールの大道敦社長(中央)ら=26日、県庁