断ち切れ負の連鎖 「kukulu」開所、保護世帯の不登校生支援


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ククルの開所式で顔合わせする関係者ら=22日、那覇市牧志

 那覇市は22日、生活保護世帯で引きこもりや非行を理由に不登校となった中学生の居場所づくりを支援する施設「kukulu(ククル)」を開所した。児童自立支援員や市内のNPO法人などが協力し、生徒一人一人に合った体験活動を通じて社会参加を後押しする。市によると、福祉分野からの不登校支援の取り組みは県内で初めて。

民間のノウハウも生かしながら、自立を促し、負の連鎖を断ち切ることが狙いだ。
 ククルは住居型店舗の1階を使用。面積は約92平方メートル。交流や学習、個別面談、個別で過ごせる四つのスペースを設ける。中学生は「自分の居場所」「人と交流できる居場所」「社会へと送り出すための居場所」として利用できる。
 自立に結び付くための調理や、経済的な理由で利用する機会のないパソコンの各講習を受けられる。スポーツなどの活動を通じて、社会との関わり合いを促していく。
 市の子ども居場所づくり支援事業の一環で、本年度予算は1050万円。NPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆいが受託した。市によると、那覇市内で生活保護世帯下の子どもは約300人。このうち不登校は約70人で、ククルの利用対象者は20人ほどを見込む。市が利用を働き掛けていく。
 市保護管理課自立支援班の山城忠信班長(45)は開所式で「生活保護の家庭は貧困を理由に孤立しがちだ。関係者が協力し、負の連鎖を断ち切るため取り組んでいこう」と呼び掛けた。所在地は那覇市牧志。問い合わせは那覇市保護管理課(電話)098(861)5193。(島袋貞治)