追加配備許さず オスプレイ、あす岩国へ


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山口県岩国市で開かれたオスプレイの配備撤回と搬入への反対を訴える集会=28日午後

 【岩国市で村上和陽】米軍普天間飛行場に追加配備される垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機の搬入が30日に予定されている山口県岩国市で28日、オスプレイの追加配備に抗議する市民集会が開かれた。

市民ら1200人が集まり、「世界一危険なオスプレイを新たに追加配備するという暴挙を絶対に許すわけにはいかない」とのアピール文を採択し、追加配備への反対を強く訴えた。岩国への搬入後、8月上旬にも普天間に移動する計画だ。
 「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」など岩国市内の五つの市民団体でつくる実行委員会(桑原清・実行委員長)の主催。追加配備が決まって以降、市民団体が反対集会をするのは今回が初めて。
 桑原委員長は「可能な限り水上を飛行することや、ヘリモードは基地内に限るといった日米の合意事項が全く守られていない。政府の安全宣言はすでに破綻している。岩国にも沖縄にもオスプレイはいらない」と強調した。昨年7月の陸揚げ以来、岩国基地が訓練の拠点になっているとし、「追加配備で訓練がいよいよ本格化する。傍若無人な米軍の横行を許さない大きな世論を一緒につくり上げよう」と訴えた。
 共産党の仁比聡平氏は「追加配備は無法な低空飛行訓練の拡大につながる。絶対に許さないとの声を広げることが必要だ」とあいさつした。アピール文を採択した後、全員で「怒」と書かれた赤いうちわを掲げ、配備撤回を求めた。
 集会後は市内の中心部をデモ行進。「オスプレイ反対」とシュプレヒコールを上げた。日米両政府は昨年9月、安全確保策に合意し、米軍はオスプレイ運用を開始した。今年3月から岩国基地を拠点に、愛媛県や高知県などの上空で低空飛行訓練を実施している。