2人の音色が調和 屋比久潤子・大藪祐歌


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バイオリンとピアノの絶妙な調和に来場者を引き込む屋比久潤子(左)と大藪祐歌=19日、那覇市のパレット市民劇場

 バイオリン奏者の屋比久潤子、ピアニストの大藪祐歌のデュオリサイタルが19日、那覇市のパレット市民劇場であった。

県立芸大で講師を務める2人が以前から計画していたというデュオ公演。2人はプロコフィエフ、フランクの起伏に富み、難曲とも言われる演目で共演。表情豊かな掛け合いに来場者を引き込んだ。
 公演はプロコフィエフの「ロミオとジュリエットによる10の小品」で始まる。さらに「バイオリンとピアノのためのソナタ」で2人が音色を調和させる。静かに奏でる第3楽章から、スリリングな掛け合いと高揚感のある旋律の第4楽章に聞き手を引き込む。
 リストの2曲は大藪が演奏。「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」は小鳥のさえずりを表現する冒頭から、厳かに諭すような低音の旋律に流れる。高低や速度を変えて移り変わる展開をめまぐるしく聞かせ、再び小鳥たちのさえずりで幕を下ろす。「6つのコンソレーション」第3番は、ゆっくりと叙情豊かに奏でた。
 フランク「バイオリンとピアノのためのソナタ」はドラマチックに導入し、緊迫感のある第2楽章は不穏な旋律を激しく奏でるピアノが印象的。ゆったりとした導入から劇的な展開に転じる第3楽章、きらびやかな音を重ね合う第4楽章と起伏に富んだ曲想を描き出した。2人は8月24日に愛知県でも公演する。