東南アジア展開へ 沖縄特産販売、イスラム対応食製造


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タイとマレーシアでの事業展開を発表する沖縄特産販売の與那覇仁社長(左から2人目)ら=29日、那覇市の沖縄産業支援センター

 県産食材を原料にした野菜チップスの製造・販売などを手掛ける沖縄特産販売(豊見城市、與那覇仁社長)は29日、マレーシアとタイで事業展開すると発表した。

マレーシアではイスラム教の戒律に従って調理・加工された「ハラール」食品の認証取得を視野に、野菜チップスの製造拠点を設立する。タイでは沖縄そばとタコライスの飲食店を開業し、将来的にアジア圏域内に千店舗の出店を目指す。
 野菜チップス製造はマレーシア現地の菓子製造会社と連携し、2013年内に商品化する。原料調達やマーケティング、現地法人の設立なども計画する。世界のイスラム教徒は約16億人とされ、ハラール食品の市場規模は膨大とされる。マレーシアは政府機関がハラール認証をする唯一の国であるため、将来的にハラール市場への展開を目指す。
 一方、タイは東南アジアで重要な地位を占め、インフラ整備も進んでいる。
 那覇市の沖縄産業支援センターで会見した與那覇社長は、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域での製造拠点設立について「現在は国内製造だが、価格競争力を上げ、海外市場展開を目指す」と説明。「日本に在住するイスラム教徒や訪れる人にもハラール食を売り込んでいきたい」と強調した。
 飲食業展開について「アジアには麺を食べる習慣がある。沖縄の魅力と味を発信したい」と述べた。13年度内にバンコクで第1号店を開く予定。
 同社は中小機構沖縄事務所(那覇市)の県内中小企業の海外展開支援事業の一環で、6月18~26日までマレーシアとタイで事業可能性の調査を実施した。

<用語>ハラール
 アラビア語で「許容されたもの」という意味で、イスラム法で禁じられた行為に当たらないことを指す言葉。イスラム教徒は豚を食べることが禁じられている。牛や羊などは法にのっとって適正に処理された食物はハラールと記した認証マークを付けて販売される。