食物アレルギーもOK 安心旅行に親子満足


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食物アレルギー対応の料理に安心して食事を楽しむ観光モニターツアーの参加者=29日、糸満市のサザンビーチホテル&リゾート

 食物アレルギーのある子どもたちも安心して旅行を楽しんでもらおうと、南城市観光協会などが沖縄観光モニターツアーを実施している。

28~30日の日程で、期間中は県内各ホテルや飲食店などの協力を得て乳製品や小麦、卵など10品目を完全除去したメニューを提案している。付加価値のある食事で安心した食環境を整えることで、参加者も旅の喜びを実感している様子。ツアー関係者らは、新たなウエルネス観光の創出につなげたいとしている。
 沖縄観光モニターツアーは県産業振興公社の中小企業課題解決・地域連携プロジェクト推進事業を活用。南城市観光協会のほか、カフェヤブサチ、沖縄長生薬草本社、OTSサービス経営研究所、パシフィックホテル沖縄が共同で受託し、専門医らの協力も受ける。ツアーは2月に続き2度目で首都圏などから親子ら約20人が参加した。
 食物アレルギーのある子どもたちや家族は、誤飲や混入が命に関わる発症を招きかねないとし、旅行どころか外食も制限されているのが現状だ。今回のツアーでは本島南部を中心に沖縄観光を満喫。ホテルや飲食店で提供される食事はアレルギー対応食に加え、伊是名島の米粉や地域の野菜類など県産素材を効果的に活用している。
 29日に宿泊した糸満市のサザンビーチホテル&リゾートでもホテルが独自開発した食物アレルギー対応食が並んだ。参加者は満足げで、沖縄観光の新たな可能性が示された。
 千葉県からツアーに参加した田中和信さん、亜希さん夫妻は、長女の稀羽ちゃん(小学1年)が卵と小麦のアレルギーというが「普段は食べ物の持ち込みなどを確認しながらの外食だが、何の心配もなく食事ができて幸せ」とホテルなどの対応を喜んだ。
 ツアー事務局は沖縄ツーリストやコンサルタントのエボリューションが担当。年内にさらに数回のツアーを計画しているという。