追加12機、岩国搬入 来月上旬に普天間へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
米軍岩国基地に到着し、輸送船から運び出されるオスプレイ=30日午前、山口県岩国市

 【岩国市で村上和陽】米軍普天間飛行場に追加配備される米軍垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機を載せた民間輸送船が30日、米軍岩国基地(山口県岩国市)に到着、搬入された。

在日米軍は点検や機能確認のための試験飛行を31日にも開始。8月上旬には普天間に移動する見通しだ。普天間への配備が完了すれば、既存の12機と合わせて24機態勢の運用が本格化する。
 岩国への搬入について県の高良倉吉副知事は「普天間の危険性がより増加される懸念もある。追加配備は中止してほしい」と強調。普天間飛行場を抱える宜野湾市の佐喜真淳市長は「極めて遺憾」と批判した。岩国基地周辺では市民団体がデモで配備反対を訴えた。
 基地内で搬入作業を見守った福田良彦岩国市長は「岩国への陸揚げが沖縄の不安の軽減にもつながる」とした上で「運用については国で責任を持ってやってほしい」と要望。山本繁太郎山口県知事は「県民生活に非常に影響がある」と述べ、迅速な情報提供や早期の普天間移動を求める考えを示した。
 オスプレイは開発段階から事故が相次いだ。日米両政府は昨年9月に安全確保策に合意したが、県内では10月の配備直後から合意に反した運用実態がたびたび指摘されている。
 米軍は今年3月から和歌山県から四国にかけて設定された「オレンジルート」にある愛媛県と高知県上空で低空や夜間の飛行訓練も始めた。
 追加配備12機を載せた輸送船は16日、米本土を出発し、30日午前7時15分ごろ岩国基地に接岸。午前8時すぎに陸揚げ作業が始まり、午後5時前に終了した。米軍は午前9時半ごろから約3時間半、搬入の様子を報道陣に公開した。米軍が基地内での作業を公開するのは異例だ。