オスプレイ「違反なし」 防衛省、調査不十分認める


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 防衛省は30日、米軍オスプレイをめぐり県が日米間で合意した運用ルールや安全確保策に違反すると指摘していた318件の飛行について、「合意違反の確証は得られていない」とする検証結果をまとめ、県に提出した。

米側の説明を基に県側の主張を退けた形だが、一方では県が指摘した違反のうち、普天間飛行場の周辺以外については写真がなく、事実上検証できないとも説明。「合意違反が絶対ないということも言い過ぎだ」として、調査の不十分さも事実上認めている。
 防衛省の森田治男沖縄調整官は記者会見で「米側も日米合同委員会の合意に基づいて飛行していると繰り返し述べている。政府としてそれを否定するような立場にはない」と述べた。
 県への説明で沖縄防衛局は午後10時以降の夜間飛行3件は認めた。だが学校や病院などを含む住宅密集地での飛行については「普天間周辺では設定されたルートをおおむね飛行している」とし、垂直離着陸(ヘリ)モードでの飛行は確認できなかったとしている。
 那覇、浦添での市街地上空の飛行については撮影した写真がないとし、米側の説明を基に「(指摘の)件数が特定の6日間に集中しており、計器飛行による訓練だ」と結論付けた。
 騒音規制の時間帯を超える午後10時以降については「運用上必要な場合があるものの、できるだけ10時以降は飛行しないよう努力しているとの説明を米側から受けた」と回答した。県はオスプレイの最初の12機が配備された昨年10月1日から2カ月間、目視調査を実施し、合意違反件数をまとめた。防衛局は宜野湾市の嘉数高台ほか嘉手納や那覇など5カ所で撮影した写真や航跡調査で県の指摘を検証したと説明している。