教え子3人と38年ぶり再会 親川一久さん名護・元校長


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38年ぶりの再会を喜ぶ(前列右から)親川一久さん、親川久巳さん、(後列右から)辻野敏一さん、塚本優一さん、原祐樹さん=20日、名護市内

 【名護】名護市立大宮中学校校長などを務めた親川一久さん(64)=名護市=が大学生時代に神奈川県相模原市で開いた「無料塾」の“教え子”3人が20日、38年ぶりに親川さんの元を訪れ、“恩師”との再会を喜んだ。

訪れたのは神奈川県の原祐樹さん(50)、辻野敏一さん(50)、塚本優一さん(49)。
 親川さんは東海大学4年生だった1974年春「教員志望だったので、一対多数で子どもたちと関わりたい」と思い、4畳半のアパートを教室に無料で子どもに勉強を教えた。
 相模原市立鶴の台小学校の5年生が集まり、親川さんが卒業・帰郷する75年3月まで塾は続いた。75年夏、児童が復帰直後の沖縄に親川さんを訪ね、家族ぐるみで交流したのを最後に直接会う機会がなかった。
 “教え子”のうち原さんが「今年50歳を迎える年に、40年前に戻って沖縄で先生と酒を酌み交わしたい」と発案。沖縄を訪れた時に世話をした親川さんの弟久巳さん(60)も加わり、再会の美酒を酌み交わした。「全然変わらない」「老けたけど、声は当時のまま」など互いの印象を語り、当時の塾の様子など思い出話に花を咲かせた。
 卒業後、故郷で教員生活を全うした親川さんは「無料塾は人生の転機となった出来事の一つ。当時は本当の教師ではなかったけど、こうして皆が来てくれて本当にうれしい」と喜んだ。
 塚本さんは「1年もなかったが、小学校のころは一久先生の塾の思い出でいっぱい。濃密で楽しい時間だった。また10年後に再会したい」と再び会う機会を心待ちにした。(宮城宇美通信員)