少雨続く 7月那覇、123年間で最低


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水位が大きく下がった福里ダム=1日、宮古島市城辺

 沖縄気象台によると、沖縄地方の7月は少雨が続き、那覇の降水量は2006年の6・5ミリを下回る4・5ミリ(平年比3%)を記録した。1890年の統計開始以降、123年間で最も雨の少ない月となった。南大東島、久米島でも記録的な少雨となった。

地下ダムの貯水率が下がり続ける宮古島市では1日から一部地域で農業用水の夜間断水の措置を行うほか、久米島も今月末まで少雨傾向が続けば給水制限を検討する。
 7月に月間の少雨記録を更新したのは那覇のほか、南大東島が1942年の7・0ミリを更新する2・5ミリ(平年比2%)だった。久米島は1958年とタイ記録となる0・0ミリ(同0%)となった。名護は58・0ミリ(38%)、宮古島は40・0ミリ(31%)。沖縄地方(那覇、久米島、宮古島、石垣島、与那国島)の平年比は66%となった。
 沖縄気象台によると、沖縄地方は8月半ばごろまで太平洋高気圧に覆われて晴れの日が多く、少雨の状態が続く見込み。
 太平洋高気圧は本州の南海上を中心に勢力が強く、平年より西側に張り出しているため沖縄本島付近は高気圧に覆われている。その結果、南からの湿った空気が入りにくかったことが少雨の主な原因となっている。
 国や県、県企業局が管理する沖縄本島内のダム10施設の貯水率合計は1日現在、ことし5月にまとまった雨が降った影響で88・9%と平年値を2ポイント上回っている。このため1日現在、給水制限の予定はない。ただ6月以降、本島北部のダム付近の降水量は平年比の36%以下で、少雨傾向が続いている。

◆宮古地下ダム 枯渇恐れ
 【宮古島】5月以降、少雨が続く宮古島市で、農業用水に利用されている地下ダムの水位が下がり続けている。宮古土地改良区によると、この状況が続けば福里・砂川両地下ダムの貯水量はそれぞれ70日、50日で枯渇するという。かんがいが整備された農家が散水日や時間を守らず使用する例があり、同地区は計画水量を超えた地域で1日から夜間断水を行う異例の措置を取っている。
 同改良区によると、福里・砂川両地下ダムの水位は満水時からそれぞれ1・5メートル、4メートル低下した。「ここまで水位が下がるのは初めて」という。1日現在、貯水率はどちらも70%だが、雨が降っても浸透に時間がかかるため、長期的な影響が懸念される。
 宮古島地方では5月から続く少雨に加え、7月中旬に襲来した台風7号で塩害が発生。干ばつや除塩対策として、昼夜を問わずかん水が行われているという。
 同改良区は夜間に地下ダムの水をくみ上げ、丘の上にある「ファームポンド」(タンク)に貯蔵。日中はタンクから自然圧力で各農地に配水している。だが夜間の散水でタンクに水がたまらず、スプリンクラーなどの水圧が低下し、効果的に散水できない悪循環に陥っている。