絆結ぶ鎮魂の舞 湧川青年会、被災地でエイサー披露


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石巻市民や子どもたちで結成したチョンダラー隊とエイサーで共演する湧川青年会=1日、宮城県石巻市(平井慶祐さん撮影)

 今帰仁村の湧川青年会(長田翔太会長)が1日、宮城県石巻市で開かれた「石巻川開き祭り」に出演し、エイサーを披露した。青年会の25人と石巻で募った市民10人でつくるチョンダラー隊が共演。勇壮なエイサーの演舞で、東日本大震災で甚大な被害を受けた復興途中の石巻市民を励まし、新たな絆を深めた。

 湧川出身で震災後に石巻に移り住み、ボランティア活動を続ける東恩納寛武(ひろむ)さん(26)が「石巻の人たちにエイサーを見せたい」と、夢を描いたのが出演のきっかけだった。
 祭り関係者や石巻市、県内の友人らの協力を得て「エイサー石巻」として出演が実現。石巻の人にも通じるように「出会えばきょうだい(イチャリバチョーデー)」をテーマに掲げた。
 祭りでは、石巻市内を練り歩く「石巻みこしの会」を先導するように青年会とチョンダラー隊が道ジュネーをした。長田会長は「観客の反応もとても良くて一緒にリズムに乗っていた。とても楽しい」と喜んだ。
 震災で自宅が全壊したという菊地康宏さん(46)=石巻市=はチョンダラーとして出演した。「がれきの撤去に来た東恩納君に出会い、助けてもらった。ずっとエイサーをしたいと言っていたので、恩返しがしたくて参加した。支援してもらった沖縄の人たちにも感謝したい」と語った。道ジュネーでは、安里屋ユンタを石巻バージョンにアレンジした。「さぁー石巻、女川、一度はおいで。さぁーゆいゆい。わかめに、のり、カキ、サンマもおいしいっちゃ」。石巻への思いを歌詞に込めた。
 自身も出演した東恩納さんは「うれしくて涙が出そう。石巻と今帰仁がチョーデーになれた」と感動した様子で語った。(仲村良太)