雨を乞い 野焼き 干ばつ深刻、害虫駆除


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恵の雨を期待しながら焼き払いの煙を見守る住民ら=7月28日、伊平屋村田名区

 【伊平屋】伊平屋村田名区にある田名池(通称田名グムイ)の広範囲に広がる農地の焼き払いが7月28日、村消防団や多くの関係者が見守る中で行われた。

 島では梅雨明け以降まとまった雨が降らず、サトウキビを中心とした農作物が干ばつによって深刻な被害を受けている。さらに、害虫などの被害も出始めたため、25日に行われた村の干ばつ対策協議会で、田名池周辺の焼き払いが決定した。
 当日朝、田名区にある雨乞いの神を祭った通称トントクマーチーで、田名区神主の国吉眞安氏とハンズナー(女神)による雨乞いの祈りが行われた後、田名池の焼き払いが一斉に行われた。乾燥した草木はバチバチと勢いよく音を立てて燃え上がり、空を覆いつくすように煙が立ち上がった。
 焼き払いを見守る農業関係者からは「これを機に雨が降ってくれるとありがたいのだが」と煙雲を見上げ、慈雨の恵みを願った。
(野甫英芳通信員)