バス移動 便利に 「デマンド交通」11月に実証実験開始


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
デマンド交通のイメージ図

 【南城】利用者の要望(デマンド)に応じて、バスを乗り降りできる「デマンド交通」の実証実験が11月から南城市内で始まる。一括交付金5千万円を活用して実験を重ね、運用体制などを整備する。

早ければ2014年度の本格運用を目指す。同市企画部政策調整課は「交通弱者の解消や観光客の増加につなげたい」と効果に期待している。
 対象者は65歳以上の高齢者と観光客とし、実験中は無料で利用できる。
 デマンド交通は、群馬県前橋市など全国でも約100カ所の自治体で取り入れられており、県内では名護市が02年に実証実験を行った。
 南城市は06年の4町村合併で、窓口業務などの行政サービスなどに関し、市民の移動範囲が広がった。その結果、目的地に行く際、バスの運行本数が少ないことなどから、高齢者を中心に交通弱者が発生し、不便の声が上がっていた。
 さらに、観光地の近くに停留所やバスの運行本数が少ないのが現状となっている。バスを利用した観光が困難となっており、観光振興の妨げにもなっていた。
 利用者がコールセンターに利用日時、目的地などを伝えると、バスが配車される。ルートは利用者の要望に応じて設定する。
 市内を中心に運行している路線バス会社やタクシー会社とともに「地域公共交通会議」を設置し、本格運用に向けて話し合う。
 実験では佐敷、玉城、知念、大里の4地区に各1台、観光客向け1台の計5台の車両(7~10人乗り)を使用する。