【電子号外】オスプレイ2機飛来 普天間に追加配備


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 米軍普天間飛行場への追加配備に向けて山口県の岩国基地に一時搬入されていた垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機の沖縄への移動が3日始まり、最初の1機が午後4時34分ごろ、2機目が同40分ごろ同飛行場に着陸した。当初、午前中に到着予定だったが、出発が遅れた。同日午前、普天間飛行場の野嵩ゲート前では、オスプレイの追加配備に反対する抗議行動をしていた男性1人が、公務執行妨害の疑いで逮捕された。オスプレイ配備に関する抗議行動で逮捕者が出るのは初めて。

 オスプレイ2機は3日午後2時25分すぎ、岩国基地を離陸し、普天間飛行場に向かった。
 追加配備が完了すれば昨年10月に配備された12機と合わせて普天間のオスプレイは24機態勢となり、米海兵隊は「CH46中型輸送ヘリコプターからの更新が完了する」と説明している。
 安全性などへの懸念から県内世論が強く反対している中での再度の配備強行に反発が強まっている。
 在沖米海兵隊は3日、オスプレイの追加配備の状況を公開するため、米軍普天間飛行場に集めた報道陣に対し同日、岩国基地から配備予定のオスプレイの飛来が夕方になるとの見通しを説明。在沖米海兵隊報道部は「機体の問題はないが、来るまでにクリアしなければいけないステップが多く、まだクリアできていない」と予定より飛来が遅れている理由を説明した。詳細には触れなかった。
 米軍普天間飛行場の野嵩ゲート前には、同日早朝から追加配備に反対する市民ら数百人が駆け付け、座り込みなど抗議行動を続けている。宜野湾署は午前8時40分ごろ、抗議行動をしている50代とみられる男性1人を公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕した。
 宜野湾署によると、男性はもみ合いの最中、警察官の制服のボタンを引きちぎったとしている。
 仲井真弘多知事は追加配備に対して「県民の不安は払拭ふっしょくされていない」と反発しており、今後、今月中旬の県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)の要請行動などを通して引き続き配備撤回を求めていく考えだ。
 追加の12機は7月30日、民間輸送船で岩国基地に搬入された。防衛省は県などに対し、試験飛行などを経て約1~2週間後に普天間に移動すると説明していたが、陸揚げから4日で沖縄に配備された。