36年間の成果 体現 糸数武博・退官記念演奏会


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友情出演の伊江朝明(左)が歌声を響かせる横で指揮棒を振る糸数武博=3日、浦添市てだこ大ホール

 琉球大教授を3月に退官した指揮者の糸数武博(琉球大名誉教授)の退官記念演奏会が3日、浦添市てだこホールであった。門下生ら120人余が出演し、糸数の洋楽発展に尽力した36年間の成果を体現する演奏を繰り広げた。

 「琉大逍遥歌」で幕を開き、ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から第1幕への前奏曲は100人を超える出演者が壮大に奏でる。ヴェルディの歌劇「ドン・カルロ」から「妻は私を愛してなかった」は、友情出演の伊江朝明(バス)が歌声を響かせた。ベートーベンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」は永山哲男がピアノ演奏で花を添える。
 チャイコフスキーの交響曲第5番ホ短調作品64は再び大勢の出演者が舞台を埋め、糸数の躍動感ある指揮で、勝利のファンファーレのように華やかに転調する循環主題を鮮やかに聞かせた。
 糸数は演奏後、鳴りやまない拍手の中で舞台に再び登場。コンサートミストレスの崎山弥生の指揮で糸数が歌声を披露し、喝采を浴びる。最後はチャイコフスキー「くるみ割り人形」で劇的に締めくくった。