住民一丸 熱い戦い 南風原各区で綱引き


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 【南風原】旧暦の6月カシチーやアミシに当たる1、2の両日、南風原町内各地で豊年や雨乞いを祈願する伝統の綱引きが行われた。各区では東(あがり)と西(いり)に分かれ、区民らが熱い戦いを展開した。

 津嘉山区では2日、津嘉山幼稚園園庭で約600年の歴史を誇るアミシの御願綱が行われた。首里王府から賜ったとされる「太平」「國泰」の二つの旗頭と「民安」「豊歳」の計四つの旗頭が高々と翻った。東西二手に分かれ、綱を引き合い、東が熱戦を制した。與座円光さん(81)は「ことしは雨が少ないが、アミシ(雨乞い)の綱引きなので雨も降ってくれるはず」と話した。
 兼城区では午後9時すぎから公民館前に設置されたジャー(蛇)と呼ばれる龍頭の口から勢いよく花火が飛び出し、爆竹が鳴り響く中東西の綱が登場。旗頭や棒術でムードが最高潮に達し、区民総出で綱引きが始まった。一歩も譲らない引き合いの末、東が勝利を収めた。
 毎年深夜に「けんか綱」が行われる喜屋武区。ことしも町内外から老若男女が通りを埋め尽くし、熱気みなぎる中で激しい「戦い」を繰り広げた。ドラとかねの音、掛け声が上がる中、青年らがつかみ合いぶつかり合い、はじき飛ばされる光景も。攻防の末、東が勝利した。
 1日は山川区、2日は照屋区と本部区、4日は宮城区でも綱引きが行われたほか、10日には宮平区、11日には与那覇区、17日には第1団地で綱引きが行われる。

力いっぱいに綱を引く津嘉山区民ら=2日午後7時すぎ、南風原町津嘉山幼稚園園庭
子どもから大人まで兼城区民総出で綱を引き合った=2日、午後9時35分、南風原町兼城公民館前