川辺や宵闇で涼む気分の『夏休み』
初シングル。ほぼ全部の詞曲を手がけるボーカルの橋口洋平が青梅で一番『ドラえもん』に詳しいという逸話や、メンバー5人の平均年齢約30歳ということから、格好から入らないバンドだと想像した。
『夏休み』は、夏景色の一つ一つに昔の君を見つけてしまうという未練タラタラのバラード。蛍、浴衣、金魚、夕立などの季語と弦楽器の演奏、そして橋口の少しかすれた声から、猛暑というより川辺や宵闇で涼む気分になる。
『誰ニモマケズ』は、斉藤和義『歩いて帰ろう』のようなリズムに乗って、明日も頑張ろうと誓う楽しげなポップス。熱血学園ドラマ『押忍!!ふんどし部!』の主題歌ということも意識してか、メンバーのコーラスや、あえてシンプルに徹した演奏が、男子高校生らのバカ騒ぎや友情を思い出させる。
どちらも親しみやすい曲想なので、カラオケを収録しても良い気がした。ともあれ、何かに踏み出そうとする時、本作を聞けば、もっと軽やかな気持ちで出来るはず。
(エピックレコード・1020円)=つのはず誠
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つのはず誠のプロフィル
つのはず・まこと 1968年生まれ。総合化学会社、音楽宣伝会社勤務を経て、T2U音楽研究所設立。音楽市場分析、コンピレーションCDの企画・選曲などを手がける。
(共同通信)
ERJ (2013-07-24)
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