前原(男子空手団体組手)8強入り 北部九州総体第第12日


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空手男子団体組手3回戦 前原―星城(愛知) 一本を奪い、雄叫びを上げる中堅・宮里康太(右)=8日、長崎県の佐世保市体育文化館(金良孝矢撮影)

 【北部九州総体取材班】2013年度全国高校総体は第12日の8日、福岡など3県で行い、県勢は3競技に出場した。

空手は団体組手男子の前原が3回戦を突破して準々決勝に進出。同女子の北部農林は2回戦で姿を消した。個人形男子の又吉佑紀(首里)、同女子の與那覇綾子(浦添)はともに16強入りしたが、4回戦で敗退した。柔道は男子66キロ級の與座颯人(沖尚)が16強の3回戦で敗れた。剣道は個人女子で久田小遥(興南)が3回戦を突破できなかった。団体男子の那覇は予選リーグ2敗で、決勝トーナメントに進めなかった。第13日の9日、県勢は空手、柔道、バドミントンの3競技に出場する。

◆宮里 流れ引き寄せる
 ベスト8進出をかけた空手男子団体組手の3回戦で、中堅・宮里康太が星城(愛知)の加藤竜生に食らいついた。
 先鋒(せんぽう)・玉城大護が引き分け、次鋒・伊藤大賀が1―4と敗れ、流れが傾く中で宮里が流れを引き戻した。機敏な動きで積極的に攻める星城・加藤に押され、3ポイントを先取されたが、「3年が意地を見せなくてどうする」と負けず嫌いの底力を見せ、怒濤(どとう)の快進撃が始まった。
 相手の懐に素早く飛び込み、上段・中段突きを次々に決めて逆転。焦る相手が大技を狙って上段蹴りを入れた瞬間に足をはらって倒し、連続でポイントを挙げた。
 勝敗の行方を託された副将・前堂大樹は、4―4で一時苦しい場面に立たされるも、残り1秒に中段突きを決めて競り勝った。大将・久保田洸平も最終試合を勝利で飾り、見事ベスト8入りを果たした。
 それぞれが持ち味を生かし、チームワークで勝利の波をつくった試合だった。主将の前堂は「団結力はどこにも負けない。明日も絶対に下がらない」と闘志を燃やす。総体前に足を負傷して出場を断念したチームメートや、後輩たちが沖縄で優勝の報を待っている。
 空手発祥の地、沖縄の意地をかけ、4回戦は強豪・浪速(大阪)に挑む。
(赤嶺玲子)