【うるま】バイオジェット(うるま市、塚原正俊社長)は8日までに、琉球大学と奈良先端科学大学院大学の共同研究で、泡盛の原料となるインディカ米の成分を解析する手法を確立した。
醸造前の原料米の段階で産地や品種の混在を判別できるほか、異なる原料米ごとに得られるアルコール濃度や風味などの違いも分析できるという。塚原社長は「これまでの泡盛の品質安定化や、インディカ米以外の品種を使った新商品の開発にも生かせる」と期待を込めた。
塚原社長によると、泡盛の原料となるタイ産インディカ米は輸入に頼っていることもあり、その品質について詳細に評価されてこなかった。これまで、複数の酒造所から「醸造がうまくいかない」との相談を受けたこともあったという。
研究は、県の琉球泡盛調査研究支援事業の一環。食用米の研究で既に使われている遺伝子解析などの手法を用い、世界各地のインディカ米を調べた。その結果、同じタイ産でも品種の異なるインディカ米が栽培されていることや、それぞれから得られるアルコール濃度や風味にも違いがあることが分かった。
塚原社長は「原料米の質に左右される部分があったが、この手法でそのぶれ具合が分かる。全体としての泡盛の振興にもつなげていきたい」と語った。