アートな糸満市場 柱に「異国風」彩り


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市場内の「三角ヤード」に思い思いのペイントを施す芸大生=5日、糸満市中央公設市場

 【糸満】アートで市場を盛り上げたい―。昭和の風情が漂う糸満市中央公設市場。この市場を活気づけようと、県立芸大の学生が市場内の「三角ヤード」の柱に色とりどりのペイントを施している。

芸大4年でデザイン専攻の白石真弓さん(22)=読谷村=が卒業制作として企画した。糸満市中央市場商店会の協力を得て5~9日の期間、芸大の友人や近隣の保育所、中高の生徒など数十人を巻き込み、アートで市場を盛り上げようと奮闘している。
 糸満市場は、古い建物の下に美容室や雑貨屋、定食屋など長年商売を続けている店が多く入居し、レトロな雰囲気を漂わせている。白石さんは2年生の授業で、市場に設置する看板製作に携わった。これをきっかけに市場の雰囲気が気に入り、卒業制作の場として選んだ。白石さんは「こんなに雰囲気のある場所はどこにもない。異国風で熱気あふれる糸満パワーを表現したい」と意気込む。
 4月から市場内で取材を重ね、働く人々の要望をくみ取った。画材などの費用は、糸満市市民活動支援センターの助成金を活用した。
 同商店会の上原新吾会長(29)は「アンマー(お母さん)たちの活気と若者のアートがうまく調和している。昔も今も若者抜きで、まちの活性化はできない。一緒にできてうれしい」と歓迎している。
 9日夕に完成予定。同日午後4時ごろから、芸大ピアノ科や声楽科の学生による演奏会を開く。