【北部九州総体取材班】2013年度全国高校総体は第13日の9日、福岡など3県で行い、県勢は3競技に出場した。柔道は女子団体で、2回戦から出場の沖尚が2―1で大垣日大(岐阜)を破って3回戦へ進出した。
個人戦は男子81キロ級の座波吉平(那覇西)、同90キロ級の山城太志(沖尚)が、16強の3回戦で敗退した。空手は男子団体組手の前原が準々決勝、0―3で浪速(大阪)に敗れた。バドミントンは男子ダブルスで、神谷真吾・上原正太組(沖水)が16強の4回戦で敗退した。第14日の10日、県勢は柔道とバドミントンの2競技に出場する。
◆冷静に勝機つかむ/大将・新垣 背負い投げ有効
自分より一回り大きな選手を相手に、沖尚の新垣さつきは冷静な試合運びだった。勝負のかかった大将戦の残り約1分半。相手の隙を突き、豪快な一本背負い投げで有効を奪った。チームを初戦突破に導いたヒロインは「頭の中でイメージしていた通りにできた」と胸を張った。
先鋒(せんぽう)の島袋玲海が有効勝ちした後、中堅の山内月は昨年78キロ級2位の選手に一本負け。団体メンバーでは山内だけが3年生だ。「先輩にとっては最後の夏。このまま終われない」。新垣は畳に上がる前に顔を両手ではたき、気合をみなぎらせた。
力勝負にいっては勝てないとみて、組み手を徹底的に封じた。そして、嫌がった相手がつぶしにきた瞬間に生まれた勝機を逃さなかった。6月に左足のじん帯を痛め、満足に乱取りもできないまま迎えた本番。昨年の78キロ級で3位の地力と、勝利への執念を見せた。
目標の8強以上へまずは一歩近づいたが、持ち味の攻撃的な柔道は十分に発揮できていない。昨年は3回戦で惜敗。山内は「今日は2人に頼ってしまった。あしたは自分が引っ張ってチームを勝たせたい」と誓い、新垣も「去年の自分たちを越えたい」と意気込む。
高校生アスリートの夢舞台。「ここでしっかり輝こう」。真喜志康孝監督の言葉を体現する挑戦が、幕を開けた。(大城周子)