美里工、コザに圧勝 県高校野球新人中央大会


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決勝 美里工業―コザ ノーヒットノーランを達成した美里工業の島袋倫=11日、宜野座村野球場(仲本文子撮影)

 高校野球の第40回県新人中央大会最終日は11日、宜野座村野球場で決勝を行った。初めて決勝進出した美里工業は、島袋倫がノーヒットノーランを達成するなど17―0の大差でコザを下し、初の栄冠をつかんだ。

◆島袋倫、最速136キロ/左腕、堂々の復活
 島袋倫にとって、決勝は忘れられない一戦となった。「練習試合でも出したことがない」と言うノーヒットノーランを、ここ一番の舞台でやってのけた。
 身長172センチ、体重82キロのがっちりとした体格。伸びやかなフォームから繰り出される、最速136キロの球威ある速球が武器だ。
 六回までを三者凡退に仕留め、スコアボードにゼロを刻んだ。唯一、投球数が100を超えた七回裏に「(ノーヒットノーランを)少し意識してしまった」と、乱れた。四球だけで二死満塁のピンチに陥ったが立て直し、遊飛でこの回を終わらせた。
 圧倒的な存在感を見せつけたヒーローだが、背番号11を背負うのには理由があった。昨年11月の1年生大会で優勝投手となって以来、腰や肩の故障などでマウンドに立てず、苦しい時期が続いた。夏の甲子園県予選ではベンチからも外れ「ショックが大きかった」。
 それでも、努力は人を裏切らなかった。走り込みを中心に練習し、フォームの改善にも取り組んだ。同大会はマウンドに戻ったばかりだった。
 「この勢いで、秋の大会は優勝したい」と、既に次のステージを見据える左腕の“復活劇”は、まだ始まったばかりだ。(仲本文子)