声楽家・翁長剛の門下生でつくる声楽グループ「ソーニョ」が10日、「夏のコンサート」を浦添市てだこホールで開いた。
多彩なオペラアリアを20~50代の幅広い出演者が歌い、来場者の喝采を浴びた。翁長が主宰する沖縄オペラ協会で12月に演じる予定の「仮面舞踏会」のアリアも佐久田藤子(ソプラノ)らが歌った。ピアノは平良浩子。
松川好伸(テノール)が情熱的に歌い上げる「僕のたぎり立つ心の」(ヴェルディ「椿姫」より)で幕を開く。饒平名玲花(ソプラノ)はプッチーニ「ラ・ボエーム」から「あなたの愛の呼ぶ声に」で別れを告げる悲しみを歌声に乗せる。
佐久田の「私は死にましょう、最後にせめて息子を抱かせて下さい」は、力強い響きに覚悟をにじませる歌声。渡久地利江子(メゾソプラノ)、金城成子(ソプラノ)、佐藤菜穂(同)も迫真の歌声で、歌劇の一場面を舞台上に再現する。
桑江律子(ソプラノ)のマスカーニ「アヴェ・マリア」は神への祈りを、悲しみに満ちた美しい響きに託す。川満理加(同)と伊良波良真(バリトン)はドニゼッティ「ルチア」の「ルチア・エンリーコの二重唱」。ルチアの痛々しい叫びに動揺するエンリーコ。2人の緊迫感あるやり取りを声の調和で描く。
安座間和美(ソプラノ)は「亡くなった母を」を悲壮な決意を込めた歌声で描き、長谷川萌子(同)は「この心の光」で一直線に突き進む愛に満ちた心を明るい歌声に乗せた。