日中で通報体制構築へ サンゴ密漁船取り締まり


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 水産庁は13日までに、日中漁業協定で双方の操業条件などを決める日中漁業共同委員会で、県内漁業関係者らが求めてきたサンゴ密漁船の取り締まりを日中が協力して行う枠組みをつくることで合意した。

これまでなかった両者の通報体制を構築し、再発防止の仕組みを導入する。サンゴ密漁船取り締まりで日中が合意するのは初めて。
 同委員会は年に1回開催し、今年の第14回会合は9日に北京で開いた。
 水産庁担当者によると、日本ではサンゴの捕獲は許可制なのに対し、中国では捕獲自体が違法であり、罰金や船のスクラップなどの刑事罰がある。これまで日本側が違法操業を確認しても中国への明確な通報体制はなかったが、今後は中国の水産庁にあたる漁業局に通報する。
 一方、県と県内漁業団体は、北緯27度以南で中国漁船の自由な操業を認めている協定自体の見直しも求めているが、まだ協議には上がっていないとみられる。県水産課は「まずは取り締まりに実効力があるかを確認したい」と、具体的な内容について今後水産庁に確認する。
 会合ではこのほか、相手側の排他的経済水域(EEZ)で操業できる漁船を双方とも前年比25隻減の321隻、漁獲割当量を60トン減の9814トンとすることなどを合意した。(長嶺真輝)