キャピキャピしながらもこびを売らず
「ももクロ」こと「週末ヒロイン ももいろクローバーZ」。“いま、会えるアイドル”として2008年5月に結成、2010年にメジャー・デビュー。2005年結成のAKB48よりも後輩となる女性5人組アイドルだ。今回のツアータイトルは、デビュー5周年とメンバー数にかけていると思われる。
2013年3月に行われた全国ツアーの名古屋公演を収録した本作で、筆者はももクロの存在を初めてしっかり確かめた。会場は女性ファンの姿も目に入るが、圧倒的に大多数で声を出しているのは男性ファン。筆者は寡聞にしてこの言葉を知らなかったが、ももクロの熱狂的ファンのことを「モノノフ」というそうだ。
メンバー5人のイメージカラー(赤・黄・ピンク・緑・紫)をしたサイリウム(化学反応式ペンライト)が会場をうねり、幻想的な光景を作っている。正直ついて行けないアイドルの世界なのだが、キャピキャピしながらもこびを売らず、むしろちょっと上から目線で応対している、ももクロは愛嬌があっていい。けっこう楽しみながら最後まで見てしまった。
(キングレコード・5040円)=小西樹里
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小西樹里のプロフィル
こにし・じゅり 1977年生まれ。米東海岸で高校・大学時代を過ごす。雑誌編集を経て、2006年よりフリー。音楽、本、映画、演劇、写真、ラジオなど文化系を守備範囲とする一方、国際政治論/動静ウオッチャーでもある。
(共同通信)
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