「DVD=3」『「女と男のいる舗道」あがた森魚デビュー40周年記念コンサート』


社会
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『「女と男のいる舗道」あがた森魚デビュー40周年記念コンサート(初回限定映像スペシャルパック)』
3時間、30曲が堪能できる

 変なノイズのない、まっすぐな歌謡曲を聞きたいと、時々無性に思う時がある。そんなときはこの人がうってつけ。

 本作は、コンサート『女と男のいる舗道』の映像とドキュメンタリー映像の2枚がセットになったスペシャルパック。収録されている日比谷公会堂ライブが行われたのは2012年5月のことで、1年以上が過ぎてからの作品の発売というのはかなりスローペースだけれど、約3時間におよぶコンサートの30曲が1枚で堪能できる。
 テーマは1960年代頃の「映画音楽」。20人を超すバックバンドには、ギターやピアノで鈴木茂や鈴木慶一が参加している。レコーディング風景や、デビュー時やこれからの10年について語ったドキュメンタリーにも滋味深い言葉が多く、楽しめる。
 ふと予感がして、本欄の過去データを調べたところ、2010年10月に『あがた森魚とZipangu Boyz號の一夜 「惑星漂流60周」in東京』を紹介していた。著者の深層心理であがた森魚の存在が気になっているらしい。1972年のデビュー曲『赤色エレジー』、『佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど』にはやはりグッときた。
 (VIVID SOUND・6300円)=小西樹里
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小西樹里のプロフィル
 こにし・じゅり 1977年生まれ。米東海岸で高校・大学時代を過ごす。雑誌編集を経て、2006年よりフリー。音楽、本、映画、演劇、写真、ラジオなど文化系を守備範囲とする一方、国際政治論/動静ウオッチャーでもある。
(共同通信)

『女と男のいる舗道』あがた森魚デビュー40周年記念コンサート
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『「女と男のいる舗道」あがた森魚デビュー40周年記念コンサート(初回限定映像スペシャルパック)』
小西 樹里