事故同型ヘリ あすから飛行再開 事故原因は未特定


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宜野座村のキャンプ・ハンセン内で墜落したHH60救難ヘリコプターの同型機=14日午前、米空軍嘉手納基地

 米空軍嘉手納基地は14日、同基地所属のHH60救難ヘリコプターが5日に宜野座村内で墜落した事故から中止している同型機の飛行を、16日に再開すると県や宜野座村などに沖縄防衛局を通して通知した。

嘉手納基地は事故原因について「特定されていない」と説明しており、県は「事故原因と安全対策の報告がない中での再開は遺憾だとしか言いようがない」(高良倉吉副知事)と批判。墜落事故から10日余りでの飛行再開方針に関係市町村も強く反発している。
 嘉手納基地は14日、HH60の整備状況を報道各社に公開。ジョナサン・ライリー広報局長(中佐)や事故機を運用している第33救難中隊の操縦士、整備責任者らが応対し、飛行再開の理由について「同型機について96時間で196項目の整備を確認し、機体に異常は見つからなかった」と述べ、「安全性に確信を持っている」と強調した。
 事故原因が究明されていない段階での飛行再開については「実際に運用していないと、乗員の飛行技術が衰えていく」と述べ、練度維持のために飛行訓練が必要だとした。
 嘉手納基地の第18航空団司令官のヘカー准将は「訓練飛行を安全に実施できると自信を持っている」との談話を出した。
 高良副知事は「県民の不安は払拭(ふっしょく)されていない」と述べ、原因究明までの訓練中止を重ねて求める考えを表明。県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)の要請行動などを通して、飛行再開について日米両政府に抗議する考えを示した。