【嘉手納】嘉手納町水釜の出身者らでつくる水釜向上会はこのほど、同町水釜の高台に「字水釜戦没者慰霊の碑」を建立した。7月28日に開かれた除幕式には関係者100人が参列して手を合わせ、戦没者の冥福を祈った。
建立場所は比謝川を見下ろす水釜発祥之碑の横。日露戦争、日中戦争、太平洋戦争で亡くなった水釜出身者45人の名が刻まれている。向上会によると、町には町出身の戦没者を刻銘した招魂之塔はあるが、字単位で慰霊塔を建立するのは初めて。
関係者からは以前から建立を希望する声があった。向上会は2012年6月に実行委員会を結成し、字出身者や向上会の寄付により約540万円を集めた。
実行委員長を務めた奥間偉功さん(85)は「大変安心した。戦争を生き残った私たちは慰霊の碑を通して戦争のおぞましさや平和の大切さを語り伝える務めがある。子や孫にあの思いをさせてはならない」と語った。
兄・徳信さんといとこを亡くした仲松智世子さん(89)は「兄もいとこもこの場に来ている感じがする。今でもかわいがってもらった思い出は忘れられない。安らかに眠ってください」と涙ぐみながら話した。