旧南洋群島戦争被害者、国を提訴 謝罪と賠償求め


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旧南洋群島戦争被害訴訟提訴のため、那覇地裁に入る原告団=15日午前11時ごろ、那覇地裁

 旧南洋群島で戦争に巻き込まれた県出身者や遺族を中心とする民間人が原告となって結成した訴訟団は15日午前、国からの謝罪と1人当たり1100万円の損害賠償を求める訴えを那覇地裁に起こした。原告は67歳から101歳までの24人。同訴訟を提起した沖縄・民間戦争被害者の会(野里千恵子)によると、南洋群島の戦争被害の責任を国に求める集団訴訟は初めて。同会が沖縄戦民間被害者の国家賠償を求める訴訟も新たに原告7人が加わり、同日那覇地裁に提訴された。

 提訴前に開かれた集会には原告が多数集まった。原告側弁護団の瑞慶山茂弁護団長は、「米軍基地が強化される沖縄では、まだ戦争は終わっていない。国に謝罪と補償を求め、南洋での戦争の被害実態を明らかにしていきたい」と話し、原告の団結を呼び掛けた。
 パラオ出身で姉と弟を失った原告の阿良光雄さん(75)は「無念を引き継いできたが、一人ではこのような行動はとれなかった。亡くなった人の思いを晴らしたい」と語った。南洋群島とフィリピンでは最低でも3万5千の県出身者が戦争に巻き込まれて死亡したとされる。
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英文へ→War victims in South Sea Islands file lawsuit against government