宮古島にNY人気店 ローフードを提供


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 【宮古島】宮古島市城辺長間でことし秋にオープン予定のプライベートヴィラ型リゾート「宮古琉家テノヒラ」に、米ニューヨークで人気のローフードレストラン「Pure Food and Wine(ピュア・フード・アンド・ワイン)」が日本初出店する。

生の食材にこだわり野菜本来の魅力を最大限に引き出したメニューが特徴。同店は「ローフードのフルコースを提供するのは日本で初めてではないか。レベルの高いメニューを宮古島から全国発信し、誘客力につなげたい」と話している。農作物の生産振興と新たな観光商品開発の相乗効果に期待が高まる。
 宮古島への出店は、市が進めるエコアイランドや南国ならではのトロピカルフルーツがあふれるイメージがローフードに重なるため、判断したという。ホテル開業に先行し同レストランで使う無農薬野菜を生産する農園「テノヒラファーム」をホテル近くに2008年に設置。ことし3月に農園がJAS認定をもらうなど着々と開業準備を進めている。
 ローフードとは肉や乳製品など動物性食品を使わず、48度以上の熱を加えないで作る野菜料理。高熱を加えないため、食材が持つ栄養や酵素を壊さず取れるとされる。健康意識の高い欧米の富裕層を中心に人気を博しているという。
 食材を生で食べるためパスタは精製された小麦粉の代用品としてズッキーニなどを薄切りにしたものを使うほか、アイスクリームやチーズなど一般的に乳製品と見られる食品も、ペースト状にしたナッツを発酵させて作るなど随所にこだわりを見せる。
 宮古島店のメーンシェフで、ニューヨークの「ピュア・フード・アンド・ワイン」のシェフから移ってきたダニエル・ベンハイム氏は「この店では野菜が主役だ。地域の生産農家を訪ねて素晴らしい地元野菜も掘り出しながら、ローフードのマーケットをつくりたい」と意欲を見せている。
 ローフードレストランの詳細は同ホテルホームページ、http://tenohira-resorts.com/
(知念征尚)

動物性食品や小麦粉などを使わずに作ったビーツのラビオリ、ハーブとカシューナッツのチーズ、パクチー塩、ミカン
ダニエル・ベンハイム氏